浮気した人の離婚請求は認めらるか?認められる場合はあります!

夫または妻の浮気により夫婦関係が破綻に至った場合において、浮気した夫または妻からの夫婦関係の破綻を理由とする離婚請求は認められるのでしょうか?

積極的破綻主義と消極的破綻主義の対立

離婚原因について責任のある者を有責配偶者といいます。そして、有責配偶者からの離婚請求でも、夫婦関係の破綻は客観的事実である以上、夫婦関係を維持すべき理由はないのであるから、これを認めるべきであると考え方があり、これを積極的破綻主義といいます。

他方、客観的に夫婦関係は破綻しているとはいえ、いかなる場合でも有責配偶者からの離婚請求を認めることは、正義に反するとして、これを一定の場合に限定して認める考え方があり、これを消極的破綻主義といいます。

最高裁は消極的破綻主義の立場

有責配偶者からの離婚請求について、かつて最高裁は、別居が相当長期に渡り、夫婦間に未成熟子のいない場合には、離婚を認めることにより相手方配偶者が極めて過酷な状態に置かれるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの離婚請求であることのみをもって、これを否定することはできないと判断しました(最高裁昭和62年9月2日判決)。

最高裁の立場は、有責配偶者からの離婚請求について、夫婦関係の破綻の事実がある以上、これを認めるものではなく、一定の場合に限定して離婚を認めるものであり、消極的破綻主義といえます。

有責配偶者からの離婚請求に対する制限は緩和されてきている!

昭和62年の最高裁の判決以降、有責配偶者からの離婚請求を認める裁判例は多数存在します。そして、最高裁の判決として、別居期間は13年に渡るものの夫婦簡間に未成熟子の存在していた事案において、離婚後の金銭的給付の実現に期待が持てるから未成熟子の存在は離婚請求の妨げにはならないとして、有責配偶者からの離婚請求を認めたものがあります(最高裁平成6年2月8日)。

昭和62年の最高裁判決の内容からすれば本来未成熟子のいるような事案において有責配偶者からの離婚請求は否定されるべきものであると思えるのですが、平成6年の最高裁判決は将来の不確実性のある金銭的給付に期待が持てるという理由により、これを認めており、最高裁は消極的破綻主義を維持してはいるものの、有責配偶者からの離婚請求に対する制限については緩和の方向にあると評価することもできそうです。

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