慰謝料請求の相手方が破産したら?何か方法はあるの?

離婚に伴い、離婚原因を作ったことを理由として慰謝料請求している最中に相手方が破産した場合、慰謝料の支払義務は、どうなるのでしょうか?

原則として、慰謝料支払義務は破産により免責される!

慰謝料請求権は破産手続において破産債権となり、相手方に換価すべき財産のある場合には一定の配当を受け取ることができるものの、そのような財産が存在しなければ、一切配当を受け取ることができず、免責されることになります。

要するに慰謝料の支払義務は免除されるのです。こうなると、たとえ相手方に慰謝料の支払を求めた場合でも、相手は破産手続による免責により支払義務はないと拒否することが法的に認められることになるのです。

免責の対象とならない慰謝料請求権は存在する!

もっとも、慰謝料請求権の中には、破産した場合でも免責の対象とならないものがあります。すなわち、破産者が故意又は重大な過失により加えて人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権は免責されません(破産法253条1項3号)。

したがって、たとえば夫または妻からの身体的暴力により負傷したことについての慰謝料請求権については、免責の対象にはならないため、たとえ相手が破産した場合でも、なお慰謝料請求することは可能です。

しかし、たとえば生命又は身体を害する不法行為には当たらない不貞行為を理由とする慰謝料請求権については、先に説明したとおり、破産により免責されることになるのです。

破産者が破産後に自発的に慰謝料を払うのであれば問題はない!

破産により慰謝料請求権が免責の対象となるのだとしても相手の慰謝料支払義務自体が消滅してしまうわけではないと考えられています。

つまり、相手に対して法的義務として慰謝料の支払を求めることはできないものの、相手が自発的に慰謝料を支払ってくれるのであれば、それを受け取ることは法的には問題ないとされているのです。なお、このような特殊な義務を自然債務と呼んでいます。

そこで、最終手段として、相手が破産してしまった場合でも、破産後の自発的な慰謝料の支払を促してみるという方法が考えられます。

もっとも、そのような自発的な支払の合意をしてもらうだけでは、基本的には、そうした免責された債務についての破産後の任意の支払の合意は、破産制度の趣旨に反するものであり無効であると考えられているので、後に紛争にならないような形で相手方に納得の上での自発的な慰謝料の支払をしてもらうようにしなければならない点に注意しましょう。

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